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どれだけ彼女のことを見つめていただろうか。唐突に彼女がプイッと顔を逸らし、恥ずかしそうに呟いた。
「あの、あんまり見つめないで…//」
「あ…あの、ごめ…」
ポカンと彼女を見つめていた俺は、咄嗟に言葉が出てこない。あたふたして言葉を探していると、彼女から声がかかった。
「ねえあなた、願い事はある?」
それは、最初に彼女が聞いて来たことだ。いったいどういう意味で聞いているんだろうか。
確かに願いごとがないわけではない。ただ、それを彼女に叶えられるわけがない。それは神にしか出来ないことだろうから。
否。俺はなぜだか、彼女なら俺の願いを叶えてくれるんじゃないかと思っていた。
根拠なんて何もない。でも彼女がたたえるその雰囲気は、俺に自然と口を開かせていた。
「生き返らせて欲しい人がいる。」
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