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…
……
………。
暗闇の中に漂う私の意識。
「…ようやくか…。」
そう呟いた途端、
周囲が全て白一色になった。
『…あ~、来たんかい…。』
その声の方にいたのは、
『数回』会った事のある…
輝きに包まれたモノ。
「そりゃ来るさ。
ようやく死んだんだろ私は?
…まさか、ま『また伝票書き間違えただけ。
パソコンだっけ?
まだ使い方ようわからんのよ~。
死んでないからはよ帰り~。』」
…
……
………
伝票書き間違えた?
パソコン?
使い方ようわからん?
おい…
あんた、随分前に
『私は全知全能の神』って言ったよな?
…最初は木の棒、
次は羽ペン、
その次は筆、
またその次は万年筆、
そのまた次はシャーペン、
それからボールペン、マジック、ペンキ…
「…あんた…アホ?」
そうツッコミいれた私に…
『私は全知全能の神じゃ~!』の絶叫とともに
輝くモノが突撃してきた。
「ごふぉっ!」
物凄い衝撃に吹っ飛ぶ私の意識…。
…
……
………。
気がつけば病院のベットの上。
いつもと違って脇腹が痛み下半身がゆっくりと下へ滑って行く。
「…またかよ…。」
心の中でそう呟き、ナースコールのボタンを押す。
駆け込んで来た看護士に
「すみません、どうやらCRT-Dが作動したみたいです。」と
床まで滑り落ち座り込んだ状態で状況説明をした。
…勿論、気がついた時と
以前にCRT-Dが作動した後の状態との類似点、
今回は脇腹の痛みがあるって事だけだが…。
「…あのアホ神、
次会ったら…
必ず一発ブッ飛ばしてやる…。」
安静病室に移され一人になった時…
私はそれを誓うのだった…。
(了)
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