即興即戦 バッド エンド バトラーズ

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「一つ、プランがあります。」…  犠隻 争侍(ぎせき そうじ)は町の警備員だ。デパートや施設の日中警備、夜勤業務が 主な仕事先。本日は夜勤明け。お昼時のみの混雑の大型スーパーのフードコートで 混雑前の朝の時間、ビールと簡単なつまみを食べて帰路につく予定。 朝に飲む酒の一杯、これに限る。至上の瞬間…たまらねぇ…いや、たまらなくねぇ。 たまらなく嫌だ。争侍は“暴れるのが大好き”である。 暴力、殺人、戦争、ありとあらゆる非道行為に参加してきた。 ケタが外れる残虐行為を渇望し、そこに浸かる事を“生きがい”としてきた。 殺した人間の数は、両手を10回数えても、数え切れない。 しかし、争侍がこうやって“一応見た感じは平和”の“日本”で、ノンビリと過ごせるのは、 昨今出張ってきた“悪”のように世界征服とか、組織、軍団を作る、大金を稼ぐといった、要するに“デカい事”に興味がなかったからだ。 漫画みたいにありえない力を持つ連中が、世の中に出張り初めた事を機に、争侍は “引退”した。新しい時代、平和な世界の到来を、彼なりに迎えた感じではある。 しかし世界は… 「ちっとも良くなってねぇじゃねえか?」 連日、持ってる携帯やテレビに流れるニュースは“戦いと争い”ばかり。 正義の味方が溢れかえり、それに付随する悪も大挙の一途。自分が暴れ回っていた頃と 変わらない。それどころか、余計にひどくなっている。 結局、正義なんてもんの完遂は、まだまだ来ないらしい。予想はついていたし、 どうでもいい話だ。争侍としては、自分の本領を発揮できる場所から“帰ってこいコール”が聞こえているだけでいい。大事なのはそこだ。闘争の歓喜が蘇ってくる。 仕事期間は半年。良い休暇だったな。口を歪ませ、一気にコップを煽った。 瓶ビールのガラスに見覚えのあるスーツ姿が映る。 (あの男が来たか…) 争侍はニヤリと唇を歪ませた…  
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