即興即戦 バッド エンド バトラーズ

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「ボゴタルタル?タルタルソースみたいな感じだな。つまり、そいつらをディップしまくれって事か?」 「女の子の救出!優先そっち。ボゴ・タルタって言ったら、戦車に地対空ミサイルまで 持ってる武装組織どころか、軍隊規模の連中じゃん。ハァッ…ついていない。」 「大まかな内容はわかった。武器は現地調達か?」 争侍の軽口をアーネンが修正し、カルロが要項を全て納得した上での質問を重ねた。 「はい、そうなります。こんな時代になった今でも、我が国に交戦権及び、介入権は ありません。異能やヒーロー達の活動には、一切関わり無しを決め込んでいます。よって 武器の調達も現状では難しい。輸送機と防弾装備、暗視装置だけは何とかできました。 ・・・ですが、次こそはきちんと!」 「次はねぇだろ? 3人で軍隊相手にすんだ。生きて帰れるわきゃぁっねぇよ! ハッハァ!」 「ちょっと、さっきから軽口ネガティブ止めてくんない?こっちは今夜でカタ付けて 生きて帰ってくるんだからさぁ!」 「何だ?オイッ?結構元気なねーちゃんだな。よろしくだぜ?」 「うるさいっ、馬鹿!黙っててよ。」 「犠牲は覚悟の上だ。あの子を救うために、戦うのだろう?」 カルロの言葉に男のアナウンスが同調する。争侍にとってはあまり関わりにない話が始まりそうだ。 「その通りです。あらゆる出来事や物語。それら時として、ヒドイ結末があります。」 思い当たる節があるのか? カルロと呼ばれた男が少し肩を揺らす。争侍はあえて見なかったフリをし、 話の続きを聞く事にする。 「勿論、それが人々の感動や共感、新しい何かを生み出す事もあります。今回のように 平和のために戦った、かのジャンヌダルクのような少女が、 残酷に処刑されようとしている場面でさえも、時が経てば、後世で改善される教訓や 法を変える動きに繋がるかもしれません。 ですが、彼女は死にました。あの子も死にます。 それが何かのキッカケとなる偉大な死だとしても…それでも、それでも!個人的な話で 大変、申し訳ないが、私は嫌なんです。」 男の台詞にカルロが頷き、アーネンは「波乱〇丈」と呟いた。最後に争侍が口笛を吹く。 (なかなかどうして、熱いモン持ってやがるぜ?コイツもよ) という賛辞を送ったつもりだ。機体の後部ハッチが静かに開き、外の空気が流れ込む。  
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