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ポッ。頬に雨粒が落ちてきた。ザァッと風が吹いて林の木々を揺らした。葉っぱに乗っていた雨粒がバラバラッと落ちてきた。
「ひぁあ!」
冷たい!雨が降ってきたけど、カサもカッパも無い。僕はその場にしゃがみこもうとした。
「こっち。」
お姉さんが先に立って歩き始めた。僕はその後ろ姿を追いかける。周りは少しづつ雨脚が激しくなっていくのに、僕とお姉さんはあまり濡れなかった。上手く木の下をつたっているからか、木々の葉っぱが雨粒を弾いてくれたようだ。
気が付くと僕らは小さな洞窟の入り口で雨宿りをしていた。洞窟の外は土砂降りで、時折空が光り雷鳴が轟いた。洞窟は奥にも続いてるみたいだけど、今は探検どころじゃない。
「じいじ…。」
僕がいなくなってきっと心配しているだろう。ずぶ濡れになって探してくれてるかも。僕はすごく申し訳ない気がして落ち込んでしまった。
「大丈夫?」
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