episode232 SとMの交錯

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「僕が……お兄様を打つの……?」 鞭の柄を握る指先に力がこもる。 「ああ」 「なぜ?」 僕の唇が震えた。 征司は答えない。 軽く口端を上げるだけだった。 「知ってるでしょ?そんなの僕の趣味じゃないって……」 徐々に手が汗ばんでゆくのが分かった。 「それにこんな事する必要ないと思うの。僕らの関係は特別なんだ……他人がどうこう言えるものじゃないし……」 「ならやれ」 征司は鞭を握る僕の手を 抑え込むように掴んで言った。 「そう思うならなおさらやるんだ」 それは逆転の支配だった。
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