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「結局あなたは一緒……僕が嫌だと言うことをやらせるんだ!」
なりをひそめた獣が――。
「できない。お兄様に鞭を振るうなんて僕はイヤだ……!」
彫刻のような美しい肉体に
この手で傷をつけろと言う。
「与えられるのが苦痛だけじゃないことは――おまえの方が良く知っているだろう?」
「だったらなおさら……」
狂ってる。
こんなやり方。
「俺は知りたいんだ」
「ンッ……!」
征司は僕の襟元に手をかけると
ボタンを引きちぎるように胸元を開いた。
「――俺は自分の知らない自分が知りたい」
そして僕に残ったなけなしの理性を喰らうように
征司はけだるく僕の耳に囁いた。
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