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SとMは本来同じ素質であると読んだことがある。
サドかマゾかというのは単なる役割分担にすぎないと。
「クッ……」
「もっと欲しい?」
だとしたら僕の中には
相当なサディストが眠っているし。
「もっと僕の鞭が欲しいかって聞いてるんだよ?」
征司の中には
相当なマゾヒストが眠っているに違いない。
「ウッ……アアッ……」
鋭い音を立てて
無抵抗な背中に鞭を振り下ろす度。
「言ってごらんよ?お兄様――僕は和樹にどっぷり依存してるんだって。和樹がいなくちゃ生きていけないんだって言ってごらん?」
額に汗を浮かべて耐える
どこまでもプライドの高い男の顔を見る度。
僕は得も言われぬ快感と
そして今まで知り得なかった愛情が
心の底から湧き上がるのを感じていた。
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