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あるいはこの行為に導くこと自体
もっときつく――それこそ本能的なレベルまで下って
僕を繋ぎ止めておく為の征司のシナリオかもしれなかった。
だとしたら僕は――。
「痛いの?お兄様――可哀想に。どう?痛いとこ舐めてあげようか?」
まんまと虜だ。
「痛いとこ舐めて欲しい?」
己がさんざん傷つけた背中に
そっと指先を這わせれば。
「ウッ……」
征司の身体は痛みのせいか
それとも快感を覚えてか――。
チャリン。
繋がれた両手のチェーンを鳴らしながらビクンと跳ねた。
「ああ……なんて愛おしいんだろう、お兄様」
僕は思わず感嘆の吐息を洩らして
もう一度鞭を取ると
「ァッ……クッ……!」
追い打ちをかけるようにもう二、三度。
撓る凶器を振り下ろした。
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