episode232 SとMの交錯

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結局 義兄に存分に愛された朝の情事の後。 僕は名ばかりの実兄を探して一旦屋敷へ戻ることにした。 もうブランチにしても遅い時間。 「ん……?」 キッチンから漂う甘い香り。 そして美しいバイオリンの音色につられて 僕は食堂に顔をのぞかせた。 「ストップ。胎教に悪いのが来たわ」 そこにいたのは 「ごきげんよう貴恵お姉様。薫お兄様もおそろいで」 久方ぶりに姿を現した性悪妊婦と 麗しき巻毛のバイオリニストだった。 「お邪魔でしたか?」 僕はにっこりと笑ってそれでも 「ま、そう言われても去る気はないですけれど」 3段重ねのケーキスタンドに 色とりどりのスイーツが盛られたテーブルへと近づいてゆく。
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