forget me not

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forget me not

 私という人間が存在することをあなたに知って欲しい。  高根 椿。  私を覚えてください。  そして、私を忘れないでください。  たとえ私があなたを忘れても、斉木健吾さん、あなたは私を覚えていてください。  椿の手には数枚のA4の用紙が握られていた。  椿は唇を噛み締め、それをグシャグシャとキャリーバッグに押し込んで鍵を掛けた。
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