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笑ってはいけないと分かっていても、その時の椿の顔を思い浮かべるだけで笑いが込み上げる。
まるでおばけを見たような、見てはいけない何かを見てしまったかのような信じられないといったその表情すらも、愛おしいと思った。
シャンプーを流された庸介はくるりと後ろを振り返った。たわわに揺れる椿の胸の下、胃のあたりに左手で触れる。
「パンパンじゃないか。大丈夫か? 気持ち悪くない?」
「大丈夫です!」
両腕で胸とお腹を隠すと庸介を睨んだ。
「なにも無理して食べる必要はなかったんだよ」
背中を洗われながら、フーフー言いながら完食した椿の顔を思い出す。
「多い分は俺が食べても良かったし」
「庸介さんはつゆだくは好きでないと言っていたじゃないですか。だったら、私が頑張って食べないと……」
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