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「だけど、無理して気持ち悪くなったりしたら牛丼を嫌いになってしまうかもしれないし、それに紐付けされたそのほかの記憶まで嫌になってしまうかもしれないだろう?」
隠す椿の腕から薄く色付く先端の周りが見え隠れする。意図していないにしても谷間も強調されて扇情的だ。
庸介は椿の腕に手を掛けると露わになるそれをジッと見つめた。目の前の椿の瞳も熱を帯びていく。抱き寄せて食むようなキスを繰り返した。
舌の絡む艶っぽい音が響く中、突然シャワーからぬるいお湯が出た。
驚いて離れる椿に庸介はいたずらっぽく笑う。
「あれだな、少し止めておくだけでお湯がぬるくなるというのはいつか解消されるといいな」
左手でシャワーヘッドを掴むと身体にかけた後に椿の身体にかけた。
「俺は先に出るな。ゆっくり温まってから出ておいで」
額にキスをすると、お湯の出続けるシャワーを椿に手渡して庸介は浴室から出て行った。
いつもより膨らんだお腹をさすりながら、こんなにもお腹が出てしまっているから庸介は触れてくれなかったのかもしれないと椿は思った。
「食べ過ぎ……気を付けよう」
小さな声で呟くと、髪にシャワーをかけた。
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