女の闘い2

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* その夜はとても幸せだった。 お揃いのパジャマでベッドの上でゴロゴロしながらPCを開いて結婚式について話しあった。 梓は、わたしの親戚のことを考えて洋館にしよう、と言ってくれている。郁ちゃんのおねえさん(叔母さん)や八十を過ぎたお爺ちゃんお婆ちゃんにはホテルよりもいいだろう、と考えてくれたらしい。 ただ、東京や福岡から来てくれる人たちを考えるとアクセスの良い場所がいいと思う。わたしたちの結婚式だ。梓の関係者のことも考えてほしい。 「たしかに駅からバスを使わないと行けないことはデメリットだな。集合時間云々あるし、面倒になる」 「うん。それを考えたらそこじゃなくてもいいのよね。来やすい場所がいいし」 「そうだな。改めて場所探そう。月に一、二回ぐらい大阪に行くのは平気?」 「うん」 「その時は史さんたちと飯でも食おう」 肩を寄せ合って頭をくっつけててパソコンを覗き込んで。ベッドの上に転がるイカのおつまみとベッドサイドに並ぶ缶ビールがわたしたちらしい。 「観光しようよ。三重とか奈良とか」 「いいよ」 「四国も行きたい!おうどんっ」 「玲の行きたいところならどこでも」 結婚式の話しに飽きれば次は新婚旅行の話しになる。ハワイで挙式後はアメリカ本土もいいけどヨーロッパも捨てがたい。 五月という気候はどちらも過ごしやすく適した季節。わたしはもちろん、梓もヨーロッパは行ったことがなく(興味もないらしい)候補に入った。 「ミロのビーナス」 「こら。ばかっ」 「もう飽きた。いいだろ?今日はもう終わり」
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