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「しばらく構ってやれてなかったからな。多少は、自分で慰めたか?」
「し、してませ……っ」
それができなかったから今こんな状態なのだと、芹は視線で槐に訴えかけた。
「俺がいつもしているようにすればいい。簡単だろう」
「簡単なんかじゃ……」
「教えてやろうか?」
「そんな……っ、あ、あ」
着物を割って、槐の手が侵入してくる。大きな手に包み込まれただけで、声を抑えることができず、芹は甘い鳴き声を漏らした。
「んっ、ん、や……ぁ」
先端から滲み出す蜜を塗り付けるようにして動く手が、快感を煽る。彼の手が上下する度に濡れた音が立つのが恥ずかしい。
「こうして刺激してやれば、ひとりで達することも難しくはないだろう?」
芹は訳が分からなくなりながらも、首を左右に振った。
「槐だから……っ、槐じゃないと、無理……」
頭上で、槐が息を吐いたのが分かった。人ならざる存在の彼は、吐息すらも官能的な色香を放つ。
「まったく、無意識というのは恐ろしいな」
「あ、んっ、も……で、るっ」
「──忘れるなよ。自分が、誰のものなのか」
「ふ、ぇ……? あ、ああ──っ」
言われたことの意味を考える暇もなく高みに追いやられ、芹は欲を弾けさせた。
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