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「熱は、収まりそうか?」
「んー……まだ、熱いです……」
熱のせいか、目が潤む。頬を紅潮させ、涙目で答える芹を見て、槐は深いため息をついた。
「芹が『見える』人間でなかったとしても、状況は同じだったかもしれない」
「え?」
「『見る』力など持たずとも──この顔を見せられたら、抱きたくなる」
「槐……んっ、ん」
口付けられ、中に舌を入れられる。口内を這う舌は、発熱している自分のそれより冷たい。口の中を支配されただけで、思考がふわふわしてくる。口の端を、どちらのものともつかない唾液が伝った。
「ふ、あ……」
口付けが終わると同時に布団に押し倒され、着物の帯を解かれる。おそらく蛍が制服から着替えさせてくれたのだろう。芹が着ていたのは、いつも夜に身に付けている浴衣だった。制服とは違い、帯一本取り払われただけで簡単に肌が露になる。
「あ……やっ、ん」
指先に胸を摘ままれ、声が出た。きゅっと押し潰されると、大した刺激でもないのにじんじんと痺れが来る。甘い痺れは胸だけに止まらず、芹は槐の下で腰をよじった。
「……まだ、力を使われたのが抜けていないようだな。もう、ここが」
「やっ、あっ、だめ」
下着を脱がされると、触れられもしないうちから勃ち上がっていたものが槐の眼下に晒される。とろとろと蜜を溢れさせ、はしたなく震えていることは、見なくとも分かる。芹は咄嗟に手で顔を覆った。
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