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波流目線2
廊下で、またあの子を見つけた。先生に何かを渡されて、よろよろ歩いて来る。
わざと、足をひっかけてやった。こけそうになったところを、さっと支える。
運動神経はいいから、こういうことは得意だ。
案の定、高梨はそれで俺に心を開いたみたいで、上手く言ったとほくそ笑んだ。
と、思ったのに……。
「天使」のワードで急に泣き出す。“守護天使リク”好きなくせに、何でそんなに天使の話を嫌がるのか、自分のことは棚にあげて少しいらっとした。俺が母さんの漫画をばかにするのはいいけど、他人がばかにするのは嫌だ。
そしたら、高梨も“守護天使リク”のことでからかわれてたって、話してくれた。
俺と、一緒だと思った。
少し、高梨に親近感がわく。
「俺、天使だよ」
気づけば、そんなばかみたいなことを口走っていた。高梨も全然信じていない。
やばい、引かれちゃうな。そう思ったけど、なんとか笑ってくれて、ほっとした。
少しだけだけど、繋がりを作れた。
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