天使イコール転校生

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 私が席に着くと、先生は気を取り直したようにこほんと咳払いをした。 「転校生を紹介するぞ」  転校生? こんな時期に。  クラスのざわめきが落ち着かないままに、先生に呼ばれて、その人が教室に入ってきた。  その瞬間、「あ」と小さく声をあげてしまった。  転校生は、資料室で見かけたあの、天使だった。  ……生徒だったんだ。まさかうちのクラスの転校生だったなんて。  混乱している間に、その天使あらため転校生はさわやかに挨拶する。 「大野波流(おおのはる)です。よろしくお願いします」  ふわっと笑うその顔は、やっぱり漫画の守護天使みたいに、かっこよかった。
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