第三部

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「どうして、同じミントなのにあなたの作品がとびぬけたの?」 「当時はね。みんなミントの表面の香りにしか注目してなかったんだよ。みんな口の中をさっぱりさせて、口臭をごまかそうとするだけだった。 ――俺はミントを道具にしたくなかった。ミントがメインになる様に、味わいと爽快感。そしてリフレッシュとリラックスを感じられる調香を施したんだ。ただ、これじゃあ清涼飲料水みたいに飲んでしまいそうだということで、味わいを変更する羽目になったけどね」 「へえ。追及すると奥が深いのね」 まるで興味がないという表情をしていたTAMAKIが、今、涼介の話を少女のような目をして聞き入る。 「環さん。俺は――君ももっと追及したい」 一瞬の間の後、環は頷いて「シャワーを貸してもらえる?」と席を立った。
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