第三部

60/67
前へ
/168ページ
次へ
壇上では黒地に金銀の唐草模様と大輪の花々が描かれている振り袖を着たTAMAKIがパフューム『TAMAKI』を手に持ち、アルカイックスマイルでポーズを決めている。 漆黒のボブヘアーには何も飾られておらず、褐色の肌はブロンズ色に輝いていてジャパネスクとアジアンがいい塩梅で融合している。香水の瓶はシンプルなスクエア型で中には琥珀の液体がきらめき揺れる。 バシャバシャとたくさんのフラッシュがたかれ撮影は長く続くが環の集中力は衰えを知らない。彼女と香水を目の当たりにすると成功しないわけがないと誰もが感じる。 これをきっかけに『銀華堂化粧品』の海外進出が滞りなくなされていくだろう。
/168ページ

最初のコメントを投稿しよう!

547人が本棚に入れています
本棚に追加