6、天変地異

5/5
前へ
/17ページ
次へ
何週間か過ぎて、冬の終わりを感じた。高校三年生のお姉ちゃんは、インターハイで優秀な成績を収めていた。陸上部の有名な大学から声がかかり、まわりよりずいぶん早く進路が決まったらしい。女子の200mで決勝2位。全国で2位、物凄いことだ。本人は悔しさでずいぶん泣いたようだったけれど。すぐそばに1位がいたんだろうな。追い抜けない人が目の前を走っていたんだろうな。まるで、雪ちゃんの恋みたいだな。一番仲が良いお姉ちゃんが、一番のライバルだったなんてずっとつらかっただろうなぁ。僕もすっごくつらい。 僕もすっごくつらい?なんで? お姉ちゃん達の卒業式が目前に迫っていたとき、僕は雪ちゃんに恋していたことにやっと気が付いた。 初恋だって気付く前に、僕の恋は終わっちゃった。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加