7、ぼくのおねいちゃん改

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7、ぼくのおねいちゃん改

「……で、卒業式の日に雪ちゃんに告白したの?それとも今この瞬間まで大切な思い出にしておいた?」 たたみかけるようにして杏が僕に質問を浴びせる。そもそもなんで僕が15年も昔の話をしているかと言うと、彼女と結婚式場で披露宴の打ち合わせをしていたとき、姉の話になったからだ。家族の簡単な紹介を入れたいと司会の方から言われたのだが、姉にはなかなかおもしろい話があるため、話しすぎた。結婚式という莫大な時間と費用の浪費に、舞い上がっていたとも言える。 「卒業式の日、雪ちゃんには会えたよ」 まぁ、良い展開、と杏と司会の方が嬉しそうな顔をする。司会の方はともかくなんで杏まで、と思ったけど、彼女のこういうところは嫌いじゃない。むしろこの気の遣わなさが結婚の決め手だったのかもしれない。
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