10月

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「占い?何お前、占いやってんの?」 なるほど、それならその格好も頷ける。文化祭の間はあちこちで生徒が仮装していた。てか、こいつの場合はどんな仮装をしていても今日が文化祭じゃなくても違和感ない気がする。慣れってすごいのな。 『おや、このボクをご存じでない?聞いたことない?パペット占い。当たるって有名なんだけど』 「あ~好きだよな、女子はそういうの」 『運がいいね、ちょうど行列が途切れた所だよ。ヒマなら寄ってかない?安くしとくよ?』 「どこの呼び込みだよ、それ。てか金取んのか?」 『当たり前でしょ。こっちも商売なんだから』 「商売上手とは言えねぇぞ」 とか言いながら、俺はそこにある丸いイスに座っていた。会話の流れでなんとなくってヤツだ。 『で、何を悩んでいるのかな、少年よ。この名探偵に話してごらん?』 「呼び止めたのはそっちだろ。つか名探偵ってもう占い関係なくなってね?」 『なぁにだいたい占いっていうのは悩んでいる人間が訪れるものさ。簡単な推理だよ、ワトソン君』 「誰がワトソンだ誰が」 『これは失敬。小林少年の方が良かったかな?』 「話聞く気あんのか、この野郎」 『とりあえず何か話してみてよ。暇で暇でしょうがないんだ』 「出たな、それが本音かこの野郎」     
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