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「どっちも断るからな」
それに対して、はっきりと俺は言い返した。
すると堀内の顔がクシャッと丸まって、「んなこたぁ知ってるよ。てめぇに割く時間なんかこっちもねーから」と言ってくる。
「あらぁ、残念だったな水田クン。堀内さんに振られちゃったんだぁ」
太一がおどけて俺の背中を小突いた。
「へっ、そんなんじゃねぇよ。じゃねぇ、けど、いや、俺は……」
「どうしたんだよ。早く言え」
「………堀内さんを嫌っているわけじゃない」
爆笑が起こった。
僕は赤い顔をしたまま俯く。
「こういうところで素直じゃないなぁ。え?好きなら好きだってちゃんと言ってやんねぇと、そこのねぇちゃんには伝わらないぜえ?」
「おいおい、あんたやっぱウチのことをそーゆー風に見てたわけぇ?今までの全てが途端にキショくなってきたんだけど」
「許してやれよぉ、妄想くらいはさぁ。こいつだって青春を謳歌してる男子なんだぜ?」
三河がウヒャウヒャと手を叩きながらそう言った。
「…まっ、マジでウチが好きなんだったら、もうチクるのやめろよな。それが大前提だろ。気づけ。クソ馬鹿」
「いやん。そこまで言われたら水田クン涙目になっちゃうぅ!」
勢いづいた太一が、いよいよ内股になってジタバタしだした時だ。
急に真っ白の光が辺りを包み込み始めたーーーーー。
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