若葉の頃に、私はあなたと出会いました

第三章 さて、答え合わせだ

結婚しなければ良かったなんて、言わない。ただ、私が悲しかっただけなのだ。これから先、ずっとこの人と一緒に居られないことが。この人との子供を産み、その子の結婚式や出産に立ち会って、苦労を幸せを分かち合って、いずれ、この手のひらがしわくちゃになったときにもそばにいたかった。

この人は言ったのだ。結婚式の日。多くの友人や家族に祝福される中で、

これから先何十年経っても、
今日結婚して良かったと、
そう思えるような、そんな家族になりたい。

ごめんなさい、一番現実を受け入れられていなかったのは、私自身だ。実感が湧かなかったのではない。現実だと、変わらない事実なのだと思いたくなかっただけだ。
私はこの日、初めて涙を流した。
夫は私をそっと抱き締めて、

これからの時間を大切にしよう

それだけ言った。