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いや本当、今の知里さんから想像もできないんですけど。
「ちょうどねー、美宙ちゃんみたいな感じだったかな」
「えっ」
イメージできないどころか一番身近な具体例(っていうか自分)を示された。
「私、バリバリのデザイナーです~、カッコいいでしょ~、みたいな?」
「ち、知里さん……」
およそ知里さんには似つかわしくないセリフであることに、どうリアクションしていいか分からない。
しかも……
「知里さんから見て、そんな風に見えてました…?私……」
似てるって思ってたってことはつまり、そういうことなんだろう。
うう、最近恥ずかしいことばかりだ。
「あ、まあそれは私の話でね。
新卒で怖いもの無しで、世間知らずだったから。大学時代に設計事務所にインターンとかバイトとか行ってたからね。社会なんてこんなものか、みたいにナメてたのね。
でも、例え社会に出ていたにしても、学生の立場から関わる社会と、本当に社会の一員になってからのそれじゃ、全然視点や役割が違うじゃない?
それを混同してはき違えていたのね。
で、この部に配属になったときの教育係が、改先輩で……
そりゃもう、ガッツーーンと……」
「ああ……」
なんとなく想像できて、乾いた笑いになってしまった。
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