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ほのかちゃんには、一連の出来事をある程度もう報告していて、見れば彼女も私と同じように曖昧な笑みを浮かべている。
「美宙ちゃんは一応中途だから、社会的な常識もあって、私ほどでは無かったけど、でもまあ昔の自分を見ているようで痛かったわね、ちょっと」
い、痛かった……。
憧れの先輩に言われて、こんなに辛い言葉があろうか……。
「じゃあ!分かってるんなら何で言ってくれなかったんですかっ!」
ある意味やつあたりだけど、ちょっと恨みがましくもある。
知里さんて意外と……
「うーん、ちょっと面白かったから、かな?」
意外と、イジワルなんだな……。
「ほら、私たちみたいなタイプって他人にお小言言われても納得できなくて、自分で気付くことでしか変われないと言うか。
だから、自分で気付いて成長していく過程を見守るのも楽しいかなあ…って。
それもダメなようだったら、本当に改先輩みたいな人にガツンとやってもらうしかないなあ……って思ってたのよ。
あの人強引だけど、ちゃんと自分で課題に気付くように流れを作ってくれるでしょう?」
「それはまあ……はい」
思い出して、胸が熱くなる。
黙って傍らで聞いていたほのかちゃんが、感心したように、ほうっと息を吐いた。
「やっぱり話に聞いた、西藤さんの『社員改造計画』って言うのは伊達じゃなかったんですね~」
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