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「ちょっとちょっと、ほのかちゃん……何で知ってるの……」
「戻ってきた直後から皆その話ばかりしてましたよ。
西藤さんが戻ったなら、また誰かの指導をするに違いないって。
で、今回は誰がそのターゲットになるんだろうって」
情報に敏感なほのかちゃんだから知っているというのもあるだろうけど、自分以外皆知っていたのかと思うと、本当に自分は間抜けだったのだと気づく。
「もっと揶揄して『ダメ社員再生工場』って言う人もいるわ」
ダメ社員………!!!!
そんな風に見られていたんだとしたら、もう立ち直れない……。
がっくりとうなだれると、知里さんがふふふっと笑った。
「まあそれは、冗談半分よ」
「ってことは半分は本気……」
そうとも言うかしら、とまた意地悪な知里さん。
こういう意地悪な部分も西藤さんの影響なのか……。
「えーー、私はすごく羨ましいと思います」
突然ほのかちゃんが半分怒ったような声を上げた。
「美宙さんはダメ社員なんかじゃないです。
センスあるし、仕事早いし慎重だし、気配りだって実は出来る人です!」
「ほのかちゃん……」
ジーン……となりかけて、何かがひっかかる。
『実は』って何だろう……。
ま、いいけど……。
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