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「あ、そう言えば聞きました?」
ランチから会社に戻り、オフィスへの廊下を歩いていると、ほのかちゃんが思い出したように声を上げた。
「どうしたの?」
さっき、牧島さんあてに、上原さんから連絡があったらしくって、西藤さんのおかえりなさい会企画してくださいって」
「あー、確かに……まだそう言うのやってなかったね」
西藤さんが戻ってきて、もう一カ月以上経つのに、飲み会の一つもなかった。
年度初めはそんなに忙しくないと思われがちだが、お盆周辺で工事をする物件の作業がちょうど本格化する時期で、みんなそれなりに忙しくバタバタしていた。
「おそらく幹事をやれって後で言われると思います」
「オッケー。じゃあ二人でやろう。
まずお店を探したらいいのかな」
「あ、お店はですね、実はもう決まってるみたいで」
ほのかちゃんがスマホをいじりだす。
「そうなの?話題のお店とかに行くのかな。それともクライアントへの付き合いで決まってるとか」
「うーん、そう感じの店じゃなかったと思うんですよね……
待ってください、さっき転送してもらった上原さんからのメールを……あ、ありました」
ほのかちゃんがメールを表示して、こちらに見せてくれた。
なんか、ものすごく会社から近いみたいで。
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