step 2「ブラックで何が悪い」

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ああ、これかな」 ほのかちゃんが指で画面をスクロールしていく。 「これ、お店の名前です」 ほのかちゃんの指が止まり、私はそれが指す文字に、目が釘付けになった。 ちょ、ちょ、ちょっと待って!!! 声を上げそうになったのを必死にこらえ、でも目は画面に釘付けになった。 そこにあったのは…… 『やきとり すぎちゃん』 「いらっしゃーーー……… どうした、美宙……」 私がよっぽど尋常でない空気を出してたんだろう。 「すぎちゃん」の入口で迎えてくれた晴ちゃんは、思いっきり怪訝そうな顔になった。 「せ……晴ちゃん、ちょっといい?」 「お、おう」 腕を引っ張る様に、外に連れてくと、晴ちゃんは戸惑いながらも付いてきてくれた。 「どうしたんだよ」 店の入口脇、藤棚とその下にベンチがひと組ある。 お客さんが満員で待つ場合座っていられる様にと、庭同様に由梨さんが日頃から手入れしている場所だ。 そこの前で立ち止まり、くるりと晴ちゃんに向き直った。 「今週末うちの部署の飲み会がこの店で行われるの、知ってる?」 「へ? あ、ああ…そういや金曜に大人数の予約あったな……スペックなんとかって会社……あれお前のとこなの?」 「そう、それよ」     
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