あのね、神さま

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あのね、神さま。 驚かないでくださいね。 って言っても無理かな。 だって、僕が一番驚いてるし、まだ信じられないくらいなんだから。 あのね、神さま。 僕、告白されました。 僕のことを好きだって言ってくれる人が現れたんです。 信じられないでしょ? その人は、僕が誰にも言えない苦しい恋をしていたのを知っていたと言っていました。 僕は凄くビックリしたんです。 だって誰にも気づかれないように気をつけていたつもりだったから。 その人はずっと僕を見ていてくれたんだそうです。 だから気づいたんだと。 僕は全然気づかなかったのに。 僕は動揺しました。 だって僕が同性に恋をしていたことを知られていたんだから。 その人は言いました。 「お前があいつを好きなことは知ってた。お前を見ていないあいつを見つめるお前の目が切なくて、俺はいつもお前を抱きしめてやりたいと思っていたんだ。なあ、これからは俺を見てくれないか?」 そんな風に言われて、僕は動揺と困惑と羞恥と…ちょっぴりの嬉しさまでないまぜになって、言葉が出てきませんでした。 その人はまた言いました。 「すぐには無理だろうから、ゆっくりでいい。ただ、お前を見ているヤツもいるんだと知っていてほしい」 僕は小さく頷きました。 それが精一杯でした。 あのね、神さま。 その人は目立つ人ではありませんが、とても優しい人です。 その人といたら暖かく優しい気持ちになれそうな気がします。 僕は…… その人の側にいてもいいでしょうか。 こんな僕は…… ふしだらでしょうか。
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