ねぇ、神さま

2/2
前へ
/4ページ
次へ
ねぇ、神さま。 僕には好きな人がいます。 今までにも何人か好きになった人がいます。 でも僕が好きな人はみんな僕を好きになってはくれません。 だって僕が好きになる人はみんな僕と同じ男だから。 不毛な恋ばかりです。 だから僕は、女の人を好きになろうと思いました。 可愛い女の人を好きになろうと思いました。 だけど恋にはなりませんでした。 友達にはなれたけど。 そして僕と友達になった可愛い彼女は、僕じゃない人に恋をしました。 彼女が恋をした相手は、僕が心の奥に閉じ込めた恋の相手でした。 あまりにありきたりな展開で笑っちゃいますよね。 笑い過ぎて涙が出ちゃうほどに。 僕では彼女の恋敵にもなれません。 だから僕は、友達の恋を応援している、そんなフリをしました。 僕は彼女とその男の人が恋人同士になるのを、ただ側で見ていました。 ねぇ、神さま。 なんで僕が好きになるのは男の人なんだろう。 神さまが僕を作るときに何かを間違えたのですか。 それとも 僕が前世で何か悪いことをしたのでしょうか。 その罰で僕は女の人を好きになれないのですか。 ねぇ、教えて、神さま。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加