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「ねぇ、何で敬語なの?」  私の敬語に違和感を彼は感じたようだ。 「今、貴方は『参考人』私は、警察官。仕方ないでしょう。それにもう、昔のようには戻れません。今日お返事を書いた手紙にも、そう書かせて頂きました」  彼の顔が少し悲し気になる。  申し訳ないが、こればかりは受け入れられない。上岡警部だって反対しているのだから。  本当にこの人が好きだったら、警察をやめてついていくのもありだけれども、冷めてしまった恋は二度と温まらない。  私はこの仕事に就きたくて就いたのだから。  手放したくない。 「そうか……」    藤澤さんが視線を落とし、少し上之原巡査部長が咳払いする。
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