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均整のとれた腹筋の下、下着を取りはなつと光一郎もまた逞しく隆起していた。抱き寄せられると光一郎の性器が内腿にすれて、更に欲望を掻き立てる。触れたくて、触れてほしくて、胸と胸の隙間がなくなるぐらい抱きしめた。
自然に見つめあいキスを交わし、気持ちの良い素肌、体温が交じり合う。
好きな人と触れ合うことが、こんなに満たされるとは知らなかった。
愛しさで胸が一杯で、苦しくて、でも嬉しくて、幸せで、ただただ幸せで。
「なぜ泣いている・・?」
光一郎は唇を離して、高峰の頬を指で拭う。
涙が後から後から溢れ出る涙で頬が濡れている。
「わかんねー・・」
言葉に出来ない気持ちが一杯で、高峰はゆるく首を振って笑う。
涙が首をふる度にポロポロと落ちてゆく。
「ただ・・すっげぇ・・幸せ・・・」
大好き。
大好き。
そればかり。
頭の中、それしか浮かばない。
瞬きをするたびに透明な涙が睫毛で光る。
光一郎はそれをまるで夢心地で眺めた。
時折、見るあの夢の中みたく、高峰はどこか悲しげで儚くて、綺麗だった。
「たかみね・・・」
触れられそうで、触れられなかった。あの日の高峰。何度も繰り返し光一郎のなかでリプレイされた光景。
胸が高鳴る。
「そうか・・・・ずっと・・・」
「ん?」
ぼうっと呆けたように呟く光一郎に高峰は首をかしげる。
「俺は、あの時からお前のことが好きだったんだな・・・」
ようやく、分かった気がする。
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