プラネタリウム

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プラネタリウム

芹澤(せりざわ)くんは独り言のように告白した。 爆音とともに夜空に大輪の華が咲く。 火の粉が(きら)めいた。 その隙に。 「あずみ。俺と、付き合わない?」 「えっ?」 聞こえていたけど、信じられなくて聞き返した。 「だから。お前の事好き」 次の花火が上がっていく音がした。つられるように私の脈拍も上がっていく。 早く返事しないと花火の音にかき消される――。 「わ、私も好きっっ!!」 不自然なほど早口でそう叫んだ後、体に轟音が響いた。 花火大会はピークを迎え、夜空にはカラフルな火の華が幾つも開いていた。 8月18日 高校生活初めての夏休みに、彼氏ができました。
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