プラネタリウム

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ぶっきらぼうに響く芹澤くんの声。 「あ、私……、あずみ……」 「うん。今日学校どうしたんだよ? 朝は一瞬、いたよな?」 「それなんだけど……今朝ね、芹澤くんが私たちの事話してたって聞いて、ショックで、私……」 「あぁ、うん。まあ、聞かれてノリでっていうか。……確かにちょっと調子乗って話しすぎた」 素直に謝ってくれてホッとした。安堵感を胸に、新たに話題を切り出す。 「あとね。マミから聞いたんだけど」 「何」 「私と耀太の事疑ってるって……ホント?」 「……」 芹澤くんは答えない。 「せ、芹澤くん?」 焦って思わず聞き返す。 「俺が何であずみとの事話したかっていうとさ」 「うん」 思わず唾を飲み込み、スマホを握りしめる。 「聞かれたから話しすぎたってのもあるけどさ、知らしめたかったんだよ。俺達の事」 「知らしめる? どういう事?」 「アピールだよ。あずみは俺の彼女だっていう」 「何でそんな事……」 「わかってるよ。でも俺は、お前と高梨が隣同士、仲良く喋ってるのが気に入らないんだよ!」 語気が荒くなっていく。初めて聞く憤りの混じった声に、身体が強張る。     
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