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「確かに俺はお前達を疑った。空いた机二つ並んでるの見たら、嫌でも想像しちまうんだよ……お前と高梨が二人でいるところ」
そこまで言い終わると、再び無言になった。
「知ってると思うけど、私と耀太は単なる幼馴染だよ。それだけ」
「じゃあ、今日一日何してたか教えてくれよ」
「……」
どう話せばいいかわからなくなった。
私は耀太といた。今、その事実を話したら、芹澤くんの不信感は一気に高まるだろう。でも、嘘はつきたくない……。
「どうした?」
「今朝……、学校を出た後、耀太と偶然会ったの。ほら、耀太ってしょっちゅう遅刻するでしょ? だから通学路で」
耳元で芹澤くんの溜息が聞こえた。
「ごめん。でも、芹澤くんが心配するような事は何もない!」
「……ただ会って終わりだったのかよ」
「その後、プラネタリウム見に行った」
「――お前、行きたいって言ってたもんな。俺とは行けないから高梨と行ったのか」
動悸が早くなり、胸が詰まる。何をどう話しても信じてもらえない気がした。
トーンはさっきより落ち着いているけれど、怒りが滲み出ているのが感じられる。
「そっちだって俺がショック受けるような事やってんじゃん。バレなきゃいいと思ってたの?」
「違う……」
「俺の愚痴でもこぼしてたか、高梨に」
「違う……、そんなんじゃない」
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