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ネストの時と同様だろう、スキャナーを起動すると渦のほうへカメラを向けた。すると、そこはなんでもない路地でしかないのに、空間に光の渦が浮かび上がっていて、その奥からなにやら出現したようだ。光の渦から飛び出るように現れたのはなんとも珍妙な形状をした建物だった。
小さなかまくらみたいなドームの形状をしていて、その色は黄色を基調にしていた。建物のグラフィックの上部にテキストが表示されていて、『カリスマ美容室』と書いてある。
「カリスマ……美容室?」
「あー、カリスマショップ。クラリーのカリスマを鍛える事ができる」
「カリスマ?」
「画面の右上のMeNuを押して、クラリーを確認しロ? 昨日とった<タキオニウス>がいると思う」
言われたとおりクラリーを選択すると<タキオニウス>が一覧に出現した。
「<タキオニウス>をタップすると、ステータスが出ると思う」
「おっ、なるほど。……ステータスは大まかに三種類なのか?」
<タキオニウス>のステータス画面を開くと三角形グラフのような画面が出現した。項目の頂点にそれぞれ『体』『知』『美』とある。
「クラリーの成長はツリーになってる。三つのツリー。バトルで活躍させたいスキルを覚えたいなら『体』を育てル。ナビや会話、情報を調べたいクラリーを育成したいなら『知』。『美』は今出てるカリスマ美容室で上がるンだけど、クールな見た目になったり、お着替えしたり、交渉とかにも使えル」
「むう……? ちょっと色々と弄ってみるか……」
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