エピローグ

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 暗く淀んだ感情を外に吐き出すのではなく、逆にその愛を振りまけば、この世は楽園となるだろうに、なぜ人は逆なのかと。  憎しみの雨の中で見失った方角に茫然としていた彼は――淀み切った空気を吸い、苦痛を生み出す重力にその身を引かれた時、月の住人はきっとこんな風に思ったのではないだろうか。  まぁ、いいじゃないか。と――。  どこにでもいる青年の相手を想う心が、往く当ての見えぬ手につながれた時に――――……。  ◆◇◆一霊四魂のアンサンブル・プレイ 終幕◆◇◆
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