ニギミタマ① ~十日から十四日~

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 なんのことはない、私だって日常にちょっと波が訪れたことにワクワクしていたのだろう。  それが家に帰りつき自分の部屋でごろんと横になってから、安心感と共に自覚として浮き彫りになったわけだ。  そんな時に、ふとケータイがバイブしているのに気が付いた。  スマホを取り出すと、メッセージアプリに着信があり、チャットメッセージが表示されている。  仲良し四人組のグループチャットだ。  発言者は、ミドリだった。そこにはこんな風に書いてあった。 「四谷さんのこと、なんか知ってる?」  まさか、ミドリも野次馬根性が出てきたのかと私は眉をひそめてしまった。正直、この件には拘わらないほうがいいのだ。 「知らん」  とだけ短く打ち込んだ。さっさとこの話題は終わりにしようという意思も込めたつもりだった。 「わたしもしらないー」  これはナノの発言だ。  何やら可愛らしいスタンプもついていて、犬のマスコットが首をかしげているようなものだった。  しばらく待ったが、カリンはどうやらチャットを見ていないのか反応を示さない。  私は話題を変えたくてあからさまに話の腰を折りに行ってやった。 「そんなことより、ぼちぼち試験だろ。勉強会しない?」 「あー、いいね♪」 「よくねえよ! 試験だよッ!!」 「勉強会にイイネしたんだよー」     
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