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アラミタマ② ~十七日~
六月十七日、月曜日、雨――。
オレは検視の報告をもって五十嵐警部を呼び止めた。
「司法解剖の結果か?」
「ハイ、どうも彼女、妊娠していた可能性があります」
「子宮もぎ取られてても分かったのか?」
「オレもよく聞いてませんけど、報告書、見てください」
専門的なところは正直読んでもはっきりは理解できない。とにかく、結果にざっと目を通しただけだ。
被害者の四谷ココロはどうやら妊娠していたらしいということ。
あの年齢で妊娠となると、色々問題を抱えていたのかもしれない。
親がいう『普通の子』というくくりからは外れて考えられる。
「相手、誰でしょうね」
「……近頃のガキはませてるからな。小学生すら妊娠する時代だ。何が相手でも驚かん。……とは言え、そうなると犯行動機が色々と想像できるな」
「ですねぇ。今日は学校の聞き込みできるんでしょ。生徒とも」
「おう。準備しろ。行くぞ」
オレと五十嵐さんは連れ立って四谷ココロの学校へと向かうことになった。
放課後に、一部生徒に残ってもらい話を聞く約束を取り付けてある。それから学校側には協力として、事件に心当たりのある生徒には紙に内容を記載してもらい提出してもらっている。
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