アラミタマ② ~十七日~

2/10
前へ
/241ページ
次へ
 四谷ココロの母校であるM高校は中学校からの一貫性となっており、昔は男子校だったが最近共学化したのである。ちなみにこのM高等学校中学校は、同じ敷地にM大学もあり、通称M学園として有名だ。  最近までは男子校であったということから、ここに通う女子は男たちの注目を集めた。  言い方は悪いが、入れ食い状態だったわけで、不純異性交遊はよくあることであった。こういったことは内々に穏便に済ませることが多いためか世間に大きく出回ることはなかったが、人の口に戸は建てられないものである。  それに加えて、近頃街で流行っている未成年少女行方不明事件もあり、学校側は強く生徒に注意勧告をしているというのに、ついには殺人騒ぎだ。 「そういや、あの過去の行方不明事件、どうだった」 「関連性はあまり感じなかったですね。そもそも過去の事件自体がそれぞれバラバラですし」 「ちょっと、オレのほうであの女の事を調べてみたら過去にストーカー被害にあってるようでな」 「え」  五十嵐警部の話にオレは車を運転しながらも、思わず助手席に座る警部のほうへ顔を向けてしまった。 「あの女って四谷ココロですか?」 「いや、違う。第一発見者の、あーなんだ。度忘れした」 「第一発見者って、百田サクラ?」 「ああ、そうだ。百田サクラ。三年前にストーカー被害の届けを出してるのを見付けた」 「そっちのことは……調べてませんでした」     
/241ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加