アラミタマ② ~十七日~

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 彼女はあくまで第一発見者でしかないと思いたかった。しかし、第一発見者から疑うのは基本でもある。しかし……。 「でも、彼女は行方不明になってませんよ」 「ああ、まあ、そうだ。ただ、そういうのがあったってだけだ」 「それ、ストーカーは捕まったんスか」 「あ? あー……捕まってたと思う」  調べたくせにうろ覚えなのか、はっきりしない回答で五十嵐警部はめんどくさそうに言う。  そして、タバコを咥えたので、オレは直ぐに「シゴト中に吸うの、やめろって怒られたじゃないッスか」と忠告したが、警部はもうライターに火をつけていた。  すぐにタバコの臭いが立ち上がり、車内に充満する。オレもたしなみ程度には吸うが、五十嵐警部はヘビースモーカーであるため、所かまわずタバコに火をつける。  最近は喫煙に対して厳しい話ばかりなので、五十嵐警部は息苦しそうにしていた。  公務中はタバコを吸う事を禁止されたのだが、五十嵐警部は隙あらばそれを無視していたのである。 「あとで吸い殻捨てとけ」 「オレがッスかよぉー」  うんざりな警部の命令にオレは露骨に声を上げて見せたが、どこ吹く風という様子のまま、五十嵐警部は煙を吐き出すのだった――。  しばらく車を走らせて着いたM学園の駐車場に車を止め、オレたちは高等学校の玄関まで向かった。     
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