アラミタマ② ~十七日~

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 そこで事務員に警察手帳を見せると、すぐに校長が顔をみせ、校長室まで案内をしてくれた。 「お早い到着ですね」 「ああ、先に生徒たちからのお手紙を読ませていただきたくて」  四谷ココロの事を知っているなら情報を伝える事、と目安箱に投書するように連絡してあった。それを先に見せてもらうため、予定よりも早めに学校には足を運んだ次第である。 「どれどれ……。おや、思ったよりも少ないですね」  校長が持ってきた箱の中身の紙の数々は想像していたよりも少ない。もっとどっさりと面白半分で書き込んだものがあるのかと思った。高校生ってそういうものだろう。オレの頃はそうだった。 「ああ、事前に私共で見させてもらって、悪戯とか不要なものは除外しましたので」 「……そうですか」  五十嵐警部が厳しい目を校長に向けた。つまり、一度は教師が目を通し、こちらに見られてはマズいものも除外された可能性がある。  学校が抱える闇の部分だろう。話しでは、ここの学園は政界ともコネがあるんだとか。女子生徒殺人事件よりもヤバいスキャンダルを抱えている可能性もなくはない。  ともかく、オレと五十嵐警部は適当に手紙を開いては中身を確認する。  調べてみたところ、四谷ココロが最近落ち込んでいたとか、ノイローゼ気味だったとか書いてあるものが多い。     
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