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「知ってるよッ!! あーもう! 嫌なこと思い出したぁー!」
そんなやり取りに私はふっと笑んだ。
普段の私たちに戻ったからだ。カリンはまだ見てないようだが、あとで気が付くだろう。なんなら明日、直接学校で言えばいい。
壊れかけた日常を修繕できたみたいに、私は安心していた。そうして、結局のところ、私たちは日常に戻っていった。
退屈はやってくるけれど、その退屈が脅かされそうになってはじめて、日常の大切を感じるものだ。
私は、今が大好きなのだ。何気ない日々こそが、宝物だと気が付いてほしい。それが私の単純な願いなのかもしれない。
日常こそが私の平安なのだ――。全て世はこともなし――。
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