ニギミタマ① ~十日から十四日~

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「知ってるよッ!! あーもう! 嫌なこと思い出したぁー!」  そんなやり取りに私はふっと笑んだ。  普段の私たちに戻ったからだ。カリンはまだ見てないようだが、あとで気が付くだろう。なんなら明日、直接学校で言えばいい。  壊れかけた日常を修繕できたみたいに、私は安心していた。そうして、結局のところ、私たちは日常に戻っていった。  退屈はやってくるけれど、その退屈が脅かされそうになってはじめて、日常の大切を感じるものだ。  私は、今が大好きなのだ。何気ない日々こそが、宝物だと気が付いてほしい。それが私の単純な願いなのかもしれない。  日常こそが私の平安なのだ――。全て世はこともなし――。
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