アラミタマ③ ~十二日から十八日~

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 まるで私を殺してくださいって言っているような少女たちは、恰好のおもちゃであり、欲情のはけ口にできた。  性癖なんてそれぞれだろうが、人を殺したその時に本当の快楽を得たと思ったのだ。最近じゃ、ずいぶん過激な内容のアニメだとかラノベが人気だそうじゃないか。  ちらりと参考資料にネットで読んだヤツは、ダークファンタジー物で、醜悪なザコモンスターに新米の冒険者がグチャグチャにされるヤツだった。こんなのを読んで喜ぶヤツがいるんだと思うと、自分のこの性癖もごく普通じゃないだろうか。  誘蛾灯のように、愚かな少女を誘い込み、特別製の地下倉庫に捕らえてしまえば、あとはもう好き放題にできた。そりゃもう色々と切り刻んだり引っ張り出したり、焼いたり突いたりと楽しんだ。最高のひと時だった。  状況も自分の有利に働いたことで、少女は今も変わらず行方不明事件として世間に広まっており、殺人事件とはされていない。なんとツイているんだろうと嬉しくて高らかに鼻歌まで歌ってしまうくらいだった。  それから、一年もすると、二人目をやりたくてしかたなくなる。  そう思うと、不思議なことに『引力』が働くのだ。  勝手に殺してほしそうな女が寄ってくる。     
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