アラミタマ③ ~十二日から十八日~

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 普段の行いを神は見てくれているということだろう。毎日頑張っているご褒美をくれるように、満月の夜、おもちゃが与えられた。  毎度の満月というわけではなかったが、『欲しい』と思った次の満月には、おもちゃが与えられた。まるでクリスマスのサンタクロースのように、プレゼントがやってくるのだ。  泣きわめく少女をもてあそび続けても、足はつかない。相変わらず呑気なこの街は、殺人事件を神隠しだとかと言って寝ぼけている。  このまま順調に、充実した日々が送れるはずだったのに、どういうわけなのか殺人事件が発生した。  殺人の手法はお粗末で、稚拙だった。なぜこんな殺し方をしたのか怒りすら覚えてしまう。  この殺人鬼の自分を差し置いて、この街で殺人をするなど許せるわけがない。この陳腐な殺人事件のせいで、無関係なこちらまで疑われてはたまったものではないのだ。  なんとしても、この殺人犯を見つけ出す必要がある。この愚か者が殺人犯として捕まれば、自分の犯罪の隠れ蓑にすらできるかもしれない。  ――とはいえ、普通に探すとしても殺人犯を見つけ出すなど、名探偵でもあるまいし、できるわけがない。  ……出来るわけがないと、普通は思うところだ。  だが、自分にはそれができる。できる能力がある……。     
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