アラミタマ④ ~二十二日・新月~

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 その時の二人の顔は傑作だった。  オレは二人を連れ立って動く。動き出す。状況が動き出したのだ。  午後五時前ギリギリ。  いい時刻だ。  黄昏時――。  かつては誰そ彼と言われた夕闇の時刻。隣人の顔が見えずに、影に紛れる時刻。  逢魔が時がやってくる――。
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