クシミタマ① ~十四日~

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「そう。『組織』に加わっていない妖怪だから、何をしでかすか分からないの。捕まえて組織に連れてくるか、消滅させて」 「承知」  その返答に満足したように、迦楼羅は笑んだ。そして、また窓際に向かって、カラスの姿に戻る。  飛び去る前に、くるりと振り向き、カチカチと嘴を鳴らして言う。 「頑張ってね。何かあったら連絡して、狐火ちゃん」 「ちゃんを付けるな」  物申してやると、カラスがクスりと笑って飛び去った。雨の中を滑るように飛んでいくのを見送り、我は窓を閉じた。  少しばかり雨が降りこんで濡れてしまっていたが、我はそこに手をかざし、軽く熱を発生させて乾かしてやった。  ――我が名は狐火。炎を操る妖狐である。古参妖怪でありながらも、実態を持たない霊的存在の我は人に憑りつく動物霊として一般的には名が知れている。  今は、宿主の人間に憑りついて、この領域の管理を組織から任されている。  様々な妖怪が引き起こす問題を解決する何でも屋のような事をしていたが、今回は『組織』に加わっていないアウトロー妖怪が引き起こした事件のせいで、人間たちに怪しまれぬように問題を処理しなくてはならない。  そのためには、きちんとした出生を持つ人間を依り代に行動するのがやりやすいとされ、我のような動物付きの妖怪は、管理人に任命されやすいのだ。     
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