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「そーゆーワケじゃねーよ」
そう言って、アニキはさっさと風呂に向かっていった。
そんな姿を見送って、こっちはもやもやした思いを無駄に抱えることになって、気分が悪くなった。
まるで「カレシいんの? あ、ごめん、お前にカレシとかありえないわ。ゲラゲラ」みたいバカにしているかのようじゃないか。
アニキだって、ぜってー彼女とかできないだろ! モブキャラ全開のイコール空気キャラみたいなくせして。
アタシはなんだか、むしゃくしゃして冷蔵庫にあったアイスキャンディーをひっつかみ、乱暴にその袋を破いてがぶりとかみついた。
冷たいアイスが湯上りの体を冷ましてくれるはずだったのに、アニキの意味不明な一言のせいで、台無しだ。
アタシはそのまま自室に入り、スマホを取り出した。
そして立ち上げるのはメッセージアプリだ。ヒマな時はたいていこれでチャットする。
仲間のグループチャットに入って、さっそく今あった出来事を吐き出してしまう。
「お前彼氏とかいんの?」
そうアニキに言われた言葉をそのまま打ち込んで見せる。友人の三人は気が付き次第、なんらかのリアクションを返してくれる。今回、最初にメッセージをくれたのはカリンだった。
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